先日、私たち夫婦はめでたく21回目の結婚記念日を迎えました。
せっかくの記念日だし、たまには奮発して素敵なディナーを!ということで奮発して予約したのが、チェコで知らない人はいない超有名スターシェフが手掛ける人気レストラン「U Matěje」。 テレビにもバンバン出ている有名人のお店で、なんと当日はシェフご本人も厨房にいらっしゃいました。「これは期待大!」と胸を躍らせて席についたのですが……。
結論から言いましょう。 申し訳ありませんが、我が家は二度と行きません(涙)。
有名店だろうがスターシェフだろうが、ダメなものはダメ。今回は、私たちの口に全く合わなかったリアルなレビューをお届けします。
まずやってきたのが、チェコの伝統料理でもある「魚の酢漬け」。 おしゃれな青いお皿に上品に盛り付けられてはいるのだが、テーブルに運ばれてきた瞬間、私はフリーズした。
「……ヘビ? いや、トカゲの背皮(せがわ)……?」
おそらくニシンを上品にカットしたものなのだろうが、シェフの「モダンなこだわり」が完全に裏目に出ている。 通常、チェコの居酒屋で出る酢漬けは丸めてあって身の白い部分が見えるのだが、ここはあえて「ウロコの生々しさ」を120%強調する平干しスタイル。
青黒いグラデーションといい、細かく浮き出たウロコのリアルな質感といい、お皿の上に生々しい爬虫類がペタッと横たわっているようにしか見えない。しかも、上からかかっている緑色のオイルが、さらに「湿地帯のヌルッとした感じ」を醸し出して不気味さを倍増させている。 いくらイクラやウズラの卵でおしゃれに着飾ったところで、主役の「トカゲの剥製感」が強すぎて、箸(フォーク)を進めるのにはかなりの勇気が必要だった。
意を決して一口食べてみたが、見た目通りの生臭さとお酢の容赦ない酸味。お世辞にも美味しいとは言えず、静かにフォークを置いた。
そして、気を取り直して旦那が次に注文したが、これまたチェコ名物の「鯉(コイ)のフライ」。 スターシェフが揚げる鯉のフライなんて、さぞかし泥臭さも消えていて感動的な味なんだろうと考えていたけど、来たものがこちら。
なんだ、これは。。。。食べてみて思ったことは
「……これ、日本人の女性ならほぼ誰でも作れるわ」
思わず心の声が漏れました。 生姜と醤油、そしてニンニクにしっかり漬け込んで、小麦粉(片栗粉)をまぶしてカラッと揚げる「日本の竜田揚げ」です。
このレストラン、もともとのコンセプトは「忘れ去られようとしているチェコの伝統料理を、正しい姿で次の世代に残していくこと」だったはず。その熱い理念に期待して足を運んだのですが、いざ蓋を開けてみれば、コンセプトはどこへやら。ただの迷走モダンとクオリティ不足のオンパレードでした。
味覚は人それぞれですが、有名という肩書きだけでお店を選んではいけないなと、身をもって痛感した21年目の記念日。
結局、お腹も心も満たされないまま店を後にした私たちは、帰りの道中で「普通の唐揚げ食べたいね……」としみじみ語り合うのでした。
めでたし、めでたし(泣)。




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