プラハ在住の皆様、あるいはプラハに来たことがある皆様。 現在も主力で街を走っている、ちょっと新しめのスタイリッシュな3両連結のトラム「Škoda 15T (ForCity Alfa)」に乗ったとき、こんな座席を見かけたことはありませんか?
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https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/49/Praha_-_Inside_Tram_-_%C5%A0koda_15T_For_City_%287510138192%29.jpgより引用
そう、初期に導入された車体(主に顔が赤いタイプ)にずらりと並ぶ、ツルツルした明るい茶色の「木製(合板)シート」です。
ヨーロッパの古い街並みに調和していて、見た目はとってもおしゃれ。 ……なのですが、これに乗ったことがある人なら、全員が心の中でこう突っ込んでいるはずです。
「とにかく、めちゃくちゃ滑る!!!
とっても座り心地が悪い!」笑。
スカートとの相性が悪すぎます。
人間工学に基づいて作られているらしいのですが、クッション性はゼロでカッチカチ。おまけに表面がニスで限界までツルッツルに磨き上げられているため、トラムがちょっと強めにブレーキを踏むたびに、乗客全員のお尻が前に「ズサーッ!」と滑るという、なんともマヌケな現象が車内のあちこちで発生します。私も毎回、体幹をフル活用して耐えています。
一体全体、最新型の車体に、わざわざ「カチカチで滑る木の椅子」を採用してしまったのか?
実はこれ、数年前にプラハ交通局が調査した際、市民から「布のシートは誰が座ったか分からなくて汚いし、シミや臭いもつくから絶対イヤ!」という猛烈な衛生面へのクレームが殺到したのがきっかけでした。
加えて、交通局側も「布は掃除が大変だし、新品に交換するコストが木製の2倍もかかるから、いっそ全部木製にしちゃえ!」という、かなり現実的なコスト削減に走った結果、このツルツルシートが大量生産されることになったのです。
衛生面とコストを最優先した結果、乗客全員のお尻が日々滑り続けることになるとは、当時の交通局も思わなかったのでしょう。苦笑
案の定、この「ズサーッ」は不評だったようで、2015年以降に製造されたマイナーチェンジ版(顔が黄色・白・黒のタイプ)からは、あっさりとプラスチック製の赤いシートに変更されてしまいました。交通局も、途中で「あ、これ滑るわ」って気づいたんですね(笑)。
そして、ここからが本題です。 この「お尻滑る椅子トラム」、実は今、徐々に姿を消しつつあります。
最近のプラハでは、さらに最先端の新型車両「Škoda 52T」の導入が始まっていて、トラム全体の世代交代がゆっくりと進んでいます。 それに伴って、初期型の15T(木製シート車)も、定期メンテナンスやリニューアルのタイミングで、徐々に滑りにくいプラスチック製などへと乗せ替えられるケースが増えているのだとか。
明日すぐに全滅するわけではありませんが、あのツルツルな木製シートの車両は、今走っているものが「最終世代」。長い目で見れば、いつかは完全に見られなくなってしまうプラハの絶滅危惧なのです。
トラムに揺られながら「やっぱり滑るな……」と女性がほぼ同じタイミングで
お尻のポジションを直す瞬間は、なんだかちょっと笑えます。
皆様もプラハで「顔の赤い15T型トラム」を見かけたら、ぜひ乗れるうちにあの「ズサーッ」とする感覚を噛み締めて(?)おいてくださいね!
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